子どもの教育における課題とは
現在の子どもの教育における課題とは何なのでしょうか。共働きが増えている、地域社会との繋がりが減っている今、どういった問題が指摘されているのか、確認してみましょう。
- 基礎的な能力低下
- 地域社会の教育力低下
- 家庭における教育力低下
1.基礎的な能力低下
近年の子どもたちは、基礎的な能力が低下しているのではないかと言われています。
文部科学省は「子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の方向性」で以下のように伝えています。
“ 近年の幼児の育ちについては,基本的な生活習慣や態度が身に付いていない,他者とのかかわりが苦手である,自制心や耐性,規範意識が十分に育っていない,運動能力が低下しているなどの課題が指摘されている。
また,小学校1年生などの教室において,学習に集中できない,教員の話が聞けずに授業が成立しないなど学級がうまく機能しない状況が見られる。
加えて,近年の子どもたちは,多くの情報に囲まれた環境にいるため,世の中についての知識は増えているものの,その知識は断片的で受け身的なものが多く,学びに対する意欲や関心が低いとの指摘がある。”
基本的な生活習慣や態度が身に付いていない、学習に集中できない、教員の話が聞けずに授業が成立しないなど学級がうまく機能しないなど、子どもの能力が低下しているようです。
2.地域社会の教育力低下
こちらも、文部科学省は「子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の方向性」で以下のように伝えられています。
“少子化,核家族化,都市化,情報化,国際化など我が国経済社会の急激な変化を受けて,人々の価値観や生活様式が多様化している一方で,社会の傾向としては,人間関係の希薄化,地域における地縁的なつながりの希薄化,過度に経済性や効率性を重視する傾向,大人優先の社会風潮などの状況が見られるとの指摘がある。”
今までであれば、地域の交流が深くあり、子どもと大人との関わりも多く持てていたのかもしれません。しかし、地域での人付き合いが減っている現状から、地域社会の教育力の低下も指摘されています。
3.家庭における教育力低下
子どもの基礎的な能力、地域社会の教育力の低下をお伝えしましたが、家庭における教育力低下も指摘されているのが現状です。
こちらも文部科学省の「子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の方向性」で伝えられています。
“「父母その他の保護者が子育てについて第一義的責任を有する」という少子化対策における基本理念を踏まえ,親の育児を単に肩代わりするのではなく,親の子育てに対する不安やストレスを解消し,その喜びや生きがいを取り戻して,子どものより良い育ちを実現する方向となるような子育て支援を進めていくことが必要とされている。”
女性の社会進出が一般的になり、共働き家庭が増えています。その分、家庭での教育面のサポートが不足しているケースもあるようです。
子どもの教育に大切なこと
子どもの教育において、大切なことをご紹介します。教育に力を入れたいからといって、机に向かって勉強ばかりさせるのは避けた方が良いかもしれません。
以下で紹介する大切なことを確認し、子どもにさまざまな体験をさせてあげましょう。
- 遊びでの学びを大切にする
- 家族で積極的にコミュニケーションをとる
- 頭だけでなく身体を積極的に動かす
- 体験することを大切にする
- 積極的にチャレンジさせる
1.遊びでの学びを大切にする
机に向かって勉強するだけでなく、遊びでの学びを大切にするようにしましょう。文部科学省の「幼児と一緒に遊ぶときの配慮について」では、以下のように伝えています。
“幼児期は、興味や関心が広がり、直接的・具体的な体験を通して発達していきます。”
子どもは遊びを通して具体的な体験をすることで発達していきます。机に向かっているだけでは足りず、さまざまな体験をすることが重要なのです。
2.家族で積極的にコミュニケーションをとる
家庭における教育力低下が指摘されているとお伝えしました。だからこそ、家庭で子どもと積極的にコミュニケーションを取ることをおすすめします。
一緒に思いっきり遊ぶのも良いでしょう。また、一緒に勉強してみるのも良いでしょう。
学校や幼稚園、保育園でどんなことがあったのか、話を聞く時間を設けることも忘れないようにしましょう。
3.頭だけでなく身体を積極的に動かす
文部科学省の「幼児期運動指針ガイドブック」では、以下のように伝えています。
“幼児は様々な遊びを中心に、 毎日、合計60 分以上、楽しく体を動かすことが大切です!”
多様な動きが経験できるように、さまざまな遊びを取り入れることが重要です。先述した通り、遊びでの学びも大切です。さらに、遊びを中心に楽しく体を動かすことも重要なのです。
また、運動することで、健康な体を作るほか、危険回避の基礎を身に着けることもできるでしょう。さらに、社交的になることも期待できます。
机に向かい勉強するだけでなく、積極的に体を動かすようにしてみてください。
4.体験することを大切にする
先述した通り、直接的、具体的な体験をすることで、子どもはさまざまなことを学んでいきます。
- 家族で公園に行き、いろいろな植物を観察する
- 新聞紙やペットボトルなど身近なもので作品を作ってみる
- 動物と触れ合う時間を作ってみる
など、親子でさまざまな体験をしてみてください。
5.積極的にチャレンジさせる
情報化社会である現在、成功者の体験は簡単に見聞きできるようになっています。こういった流れがある中、負けることや間違えることに対しての恐怖心が高まっている傾向があります。
親としても「子どもに失敗してほしくない」と考えてしまう方が多いのではないでしょうか。しかし、失敗しないように子どもを誘導してしまうと、子どもはチャレンジすることをしなくなるおそれがあります。
失敗から学ぶことはたくさんあります。失敗しても良いから挑戦できるように、子どもに声かけしてあげると良いでしょう。
子どもの教育に関して親が注意すべき点
子どもの教育に大切なことをお伝えしてきました。ここからは、子どもの教育に関して、親が注意すべき点をご紹介します。子どもの教育において、親の理解や行動も大きく関わってきます。ぜひ、確認してみてください。
- 子どもの成長に合わせた教育をする
- 勉強だけが教育ではないことを理解する
- 過度な期待はNG
- 過度に叱らない
- 兄弟やお友達と比べない
1.子どもの成長に合わせた教育をする
子どもの成長に合わせた教育をすることが大切です。えんぴつを持つ力もない子どもに対して、文字を書く練習をさせてしまうと、子どもは苦痛を感じてしまうおそれがありますよね。
文部科学省の「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」では、乳幼児期や小学校低学年など、年齢ごとに重視すべき課題を公開しています。
例えば、乳幼児期では「十分な自己の発揮と他者の受容による自己肯定感の獲得」や「道徳性や社会性の芽生えとなる遊びなどを通じた子ども同士の体験活動の充実」があげられます。
小学校低学年になると「自然や美しいものに感動する心などの育成」や「集団や社会のルールを守る態度など、善悪の判断や規範意識の基礎の形成」などがあげられています。
このように、年齢によって重視することが異なります。だからこそ、子どもも年齢に合わせた教育をしていく必要があるでしょう。
2.勉強だけが教育ではないことを理解する
勉強をすることだけが教育ではありません。お友達同士で遊ぶなかで学ぶことも多くあります。例えば、集団行動やルールを守ることを学べるでしょう。さらに、遊びのなかで、集中力や思考力、観察力、創造力なども養われていきます。
机に向かっているだけでは、学べないことがたくさんあります。遊びも大切だということを理解していくことが重要です。
3.過度な期待はNG
親は子どもに大きな期待を持ってしまいがちです。しかし、過度な期待は子どもを苦しめている可能性があります。
親の理想を押し付けてしまうと、子どもがその理想通りに行かなかったときに、イライラしたり怒りを感じたりしてしまいます。これでは、良好な親子関係を築くのは難しいでしょう。
さらに、親の期待が大きいと、子どもの自己肯定感が下がるだけでなく、子どもが持つ好奇心を奪うおそれもあります。
過度な期待は危険です。ご注意ください。
4.過度に叱らない
子どもを過度に叱ってしまうのも危険です。子どもを日常的に叱ってしまうと、子どもは人の顔色をうかがうようになってしまうおそれがあります。さらには、叱られないように嘘をつくようになることも考えられるでしょう。
叱られることで自己肯定感も下がりますし、積極的に挑戦することも難しくなるでしょう。
子どもを萎縮させてしまうおそれもあるため、過度に叱るのは避けてください。
5.兄弟やお友達と比べない
兄弟やお友達と比べられることで、子どもは自信を失うおそれがあります。最初は勉強に意欲的でも、兄弟やお友達と比べられ続けると、自信をなくし、勉強に対する意欲も低下してしまうでしょう。
・お兄ちゃんはもっと勉強しているのに
・〇〇君はテストで良い点数をとっている
このように、ほかの人と比べてしまうのは、避けましょう。
興味や好奇心が育つ!子どもの教育におすすめの習い事とは
数ある習い事のなかから、子どもの教育においておすすめの習い事を5つご紹介します。それぞれどのような能力が養われるのかもお伝えしますので、ぜひご覧ください。
- スイミング
- 英会話
- 学習塾
- ピアノ
- そろばん
習い事 | 月謝の相場 | 習うメリット |
スイミング | 6,000円~8,000円 | 運動能力の向上、学習機能の発達 |
英会話 | 1,000円~25,000円 | 英語のリスニング力、スピーキング力の向上 |
学習塾(補習・進学塾) | 6.000円~60,000円 | 学習習慣が身に付く、学習環境が整う |
ピアノ | 6,000円~8,000円 | 問題解決力や社会性、創造性が身に付く |
そろばん | 4,000円~12,000円 | 処理能力のスピードアップ、集中力の強化 |
1.スイミング
体を動かすことも大切だとお伝えしてきました。そこで、おすすめの習い事がスイミングです。スイミングは全身運動なので、体力がつき、運動能力が向上することが期待できます。
また、東洋経済ONLINEの「東大生がやった習い事1位の水泳のメリットとは」という記事で、以下のように紹介されています。
“東大生が、小学生のときに通っていた習い事ナンバー1が「水泳」だったというリサーチがあります。”
さらに、スイミングでは、競争心を持てるようになった、忍耐強さ、集中力を学べたという声も紹介されていました。
幼い頃から勉強をし続けているイメージのある東大生ですが、小学生のときに通っていた習い事で最も多いのがスイミング。体が鍛えられるだけでなく、学習機能の発達にも役立つようです。
2.英会話
英語への抵抗感をなくすために、英会話を習うのもおすすめです。
文部科学省の「今後の英語教育の改善・充実方策について 報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~」でも、以下のように紹介されています。
“グローバル化の進展の中で、国際共通語である英語力の向上は日本の将来にとって極めて重要である。アジアの中でトップクラスの英語力を目指すべき。今後の英語教育改革においては、その基礎的・基本的な知識・技能とそれらを活用して主体的に課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等の育成は重要な課題。”
小学校でも外国語活動が必修化され、英語教育に力を入れているのが分かります。だからこそ、英会話を習い、ネイティブ英語を聞き取る力、話す力を身に着けていくのも良いでしょう。
3.学習塾
学習塾に通うことで、学習習慣が身につく、学習環境が整う、といったメリットがあります。さらに、勉強に対して高い意欲を持つ子どもが集まる塾であれば、モチベーションが上がることも期待できるでしょう。
しかし、子どもの負担になってしまうのは避けたいところ。子どもに合った学習塾を選ぶようにしましょう。
4.ピアノ
ピアノは、子どもが小さい頃から通える習い事のひとつです。ピアノを練習することで、集中力、暗記力、表現力などが身につくといわれています。
また、PTNAのインタビューで脳科学者である澤口俊之氏は、以下のように伝えています。
“ピアノ演奏は驚くほど脳に良いのです。 我々が幼少期で重視しているのはHQ=人間性知能なのですが、一般知能gFがHQの中心的な脳機能であるワーキングメモリと相関します。ワーキングメモリは問題解決能力、社会性、創造性など、人生の成功に関係する全ての基礎となります。これがピアノで伸びます。
ピアノが脳を発達させるという実証データはたくさんあります。”
ピアノは脳に良いと伝えられています。さらには、問題解決力や社会性、創造性なども養われます。ピアノは、大人になっても必要な能力が鍛えられる習い事ともいえるでしょう。
5.そろばん
そろばんは、モチベーションが上がりやすい習い事のひとつです。検定試験が用意されているため、試験合格に向けて勉強がしやすいメリットがありますし、成功体験を積むことで自己肯定感を上げることもできるでしょう。
また、処理能力のスピードアップや、集中力の強化が期待できるため、子どもは素早く答えを出せることに喜びを感じるようになると期待できます。
こういった体験から、勉強することが楽しくなり、より勉強に意欲的になることが期待できます。
勉強を好きになってもらいたいと思っている家庭に、ぴったりの習い事といえるでしょう。
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