習い事を嫌がるときに親がすべきこととは?
子どもが習い事を嫌がってしまうこともあるでしょう。そのようなとき、親としてどう対応すれば良いのか、迷ってしまう方も少なくありません。
子どもの未来を考えて無理にでも習い事に連れて行った方がいいのか、それとも子どもの意見を尊重して辞めさせるべきなのか、正解のない悩みを抱えてしまうかもしれません。
習い事を嫌がったとき、まずすべきことは嫌がる原因を見つけることです。どのような原因が考えられるのか、そしてどのように対応すれば良いのかをご紹介していきますので、ご覧ください。
習い事を嫌がる5つの原因
まずは子どもが習い事を嫌がる原因として考えられることを5つご紹介します。子どもが習い事を嫌がる原因を知ることで、その後の対応が変わってくるでしょう。
なぜ習い事を嫌がるのか、以下のような原因が考えられるため、当てはまりそうなものを探してみてください。
- 子どもがやりたいことではなかった
- 上達しない
- 先生との相性が悪い
- ほかにやりたいことができた
- 難易度が上がりついていけなくなった
1.子どもがやりたいことではなかった
そもそも、子どもが嫌がっている習い事は、子どもがやりたいことではなかった可能性が考えられます。親が子どものことを考えたうえで、やるべき習い事だと判断したのかもしれませんが、それが子どもの負担になっているおそれもあります。
子どもがやりたいことではなかった場合、楽しいとは思えずに苦痛に感じているのかもしれません。その結果、習い事を嫌がるようになるケースもあるでしょう。
2.上達しない
なかなか上達しないことも、子どもが習い事を嫌がる原因のひとつです。習い事が一緒のお友達と比べてしまったり、自分だけ合格がもらえなかったりした場合、子どもは傷ついてしまうこともあるでしょう。
合格できずにクラスが上がれない、発表会で上手に披露できなかったなど、上達できないことが分かりやすく示されることがあります。このタイミングで習い事を嫌がる様子が見られたら、上達しないことが原因の可能性が高いかもしれません。
3.先生との相性が悪い
子どもと習い事の先生の相性が悪いことも、子どもが習い事を嫌がる原因のひとつにあげられます。「褒めて伸ばす」のか、「厳しく指導する」のか、教室や先生の方針に、子どもが合っているのかを確認してみるのも良いでしょう。
4.ほかにやりたいことができた
子どもが成長するにつれて、興味のあることが変わることもあります。また、子どもならではの遊びを優先したくなることもあるでしょう。
現在やっている習い事よりも興味のあることができた、優先したいことができた場合にも、習い事を嫌がる可能性があります。
5.難易度が上がりついていけなくなった
習い事を続けていくと、難易度が上がっていきます。理解できないことが増えると憂鬱な気分になり、習い事を嫌がるおそれもあります。
例えば、ピアノのレッスンの場合、左手で弾く音の数が増えるだけでも、子どもにとっては難易度が各段に上がります。今までは少しの練習でピアノが弾けていたのが、急に難しく感じてしまい、練習するのが嫌になることも考えられるでしょう。
習い事を嫌がるときのNG行為とは
子どもが習い事を嫌がるときに、親がしてはいけないNG行為もご紹介します。頭では分かっていても、意外とやってしまいがちなことが多いため、ぜひ確認してみてください。
1.嫌な理由を聞かず無理やり行かせる
習い事を嫌がるのは子どもの気分かもしれないという考えから、嫌な理由を聞かずに無理やり習い事に行かせることがあるかもしれません。
また、継続する力を付けさせたい思いから、無理にでも続けるように説得してしまうこともあるでしょう。
しかし、これはNG行為のひとつです。
成長につれて自分の意思を持ち始めた子どもに無理やり習い事に行かせるような行為をしてしまうと、反発心から余計に行かなくなるおそれもあります。
2.理由を聞かずに辞めさせる
子どもが習い事を嫌がった時点で、嫌がる理由を聞かずに辞めさせるのも、もったいないかもしれません。原因次第では、習い事を続けられる可能性が十分にあります。
理由を聞かずに「嫌なら辞めれば」と伝えてしまうと、子どもは不安を感じてしまうおそれもあります。
理由を聞かずに突き放してしまうような行為は、避けてください。
3.嫌がることがダメなことだと叱る
「嫌がること」がダメなことだと叱るのもNG行為です。子どもが「嫌だ」と伝えているのは、自己主張ができている証拠でもあります。
しかし、「習い事が嫌だなんて許さない」と叱ってしまうと、子どもは逃げ場を失ってしまうおそれがあります。
4.毎回モノで釣る
意外とやってしまいがちなのが、モノで釣ることです。
「スイミングを頑張ったらお菓子を買ってあげる」
「ピアノを頑張ったら好きなだけYouTubeを見てもいいよ」
などと、言ってしまってはいませんか?
モノで釣れば簡単に習い事に行ってくれるかもしれません。しかし、これはその場しのぎです。習い事を嫌がる原因を探る行為でもないため、何の解決にもなりません。
さらに、モノがないと何もしない子ども、所謂わがままになってしまう可能性もあります。
習い事を嫌がるときの対処法
習い事を嫌がる原因や、嫌がったときにしてはいけないことをお伝えしてきましたが、ここからは習い事を嫌がるときの対処法をご紹介します。
まずは習い事を嫌がる原因を突き止めることが大切です。その原因によって対処法も異なるでしょう。
- 子どもと話し合い原因を探す
- 習い事を始めたきっかけを思い出してみる
- 近しい目標を立てる
- 休会してみる
- 思い切って辞める
- もっと興味のある習い事に移行する
1.子どもと話し合い原因を探す
まずは子どもと話し合い、原因を探しましょう。子どもの年齢によっては「なんで習い事が嫌なの」と聞くだけでは、原因がわからないことも考えられます。
習い事について子どもが思っていることを全て聞いてあげましょう。途中で話をさえぎるのはNG。まずは子どもの気持ちを理解して、原因を探すことから始めましょう。
2.習い事を始めたきっかけを思い出してみる
習い事を始めたきっかけを思い出してみるのも、おすすめです。その習い事をしたいと思った理由が分かれば、やる気スイッチを押せるかもしれません。
・サッカー選手に憧れてサッカーをやりたいと思った
・お友達のピアノの発表会を見て、自分も弾けるようになりたいと思った
・運動会で活躍したいと思った
始めた理由を思い出せば、もう一度習い事を頑張ってみようと思える可能性もあるでしょう。子どもと一緒に、習い事を始めたときの話をしてみてください。
3.近しい目標を立てる
何か目標があれば、頑張れる可能性もあります。しかし、この時に大切なのが「近しい目標」ということです。大きな目標を立ててしまうと、その目標が遠すぎて、また習い事が嫌になるおそれがあります。
・サッカーの練習試合でボールを一度でも蹴る
・クロールで25m泳げるようになる
・今の教本にある曲を全て終わらせる
目標は何でも良いです。子どもがまた習い事を頑張ろうと思える、近しい目標を立ててみましょう。
4.休会してみる
一度、習い事をお休みするのもひとつの手です。嫌がる習い事に無理やり連れていくのではなく、一度距離を置いて考える時間を与えるのも良いでしょう。
休会している間に、原因をよく探る、または習い事を始めたきっかけを思い出してみるなど、話し合いをする時間を作るのも良いかもしれません。
また、教室や先生との相性が悪いのであれば、他の教室を探す時間に当てるのも良いでしょう。
少し習い事から離れることで気分もスッキリし、また挑戦できるようになる可能性もあるでしょう。
5.思い切って辞める
子どもが習い事を嫌がる原因を理解したうえで、続ける必要はないと判断するのであれば、思い切って辞めるのも良いでしょう。
習い事を途中で辞めると、辞め癖がつくのでは?と心配になる方も多いかもしれません。しかし、教育評論家の親野智可等さんが、日経DUALの『「習い事をやめたい」と言われたら、やめさせるべき』で下記のように伝えています。
“やりたくないことを無理やりやらされると、子どもの成長にとって悪影響しかありません。嫌なことでは頑張れませんし、叱られることも増えます。能力も伸びませんし、自信もなくなります。暗い気持ちでいる時間が長くなるのは、性格形成のうえでも良くありません。
このような悪影響を考えますと、まずは体験してみて、ダメだったら、さっさとやめてしまうのがいいと私は考えます。やめグセがつくというのは、私は嘘だと思います。”
辞めたからといって、辞め癖が付くわけではありません。反対に、無理に続けさせることで、子どもの精神面に大きなリスクを負うことも考えられます。
習い事を辞めるとなっても、子どもに合わないものが1つ分かっただけです。辞めること = マイナスなことではないため、その点は安心してください。
6.もっと興味のある習い事に移行する
ほかにやりたいこと、興味のあることができたのであれば、嫌がっている習い事を辞めて、興味のある習い事を始めてみてはいかがでしょうか。
せっかくなら、子どもが楽しく習えるものの方が良いでしょう。子どもが熱中できるものを応援した方が、子どもの好奇心も育まれ、自信や自己肯定感を高めることにも繋がるでしょう。
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