親が子どもに習い事に通わせる理由は?
親が子どもを習い事に通わせるのには、子どもの将来に役立つスキルを身につけて欲しい・さまざまな経験を積んで欲しいなどの理由があります。どの理由も、子どもの成長を考えているものであり、子どもを思う親心をうかがい知ることができます。
日本スポーツ振興センターの調査によると、子どもを習い事に通わせる親の多くは、「子どもにこうなって欲しい」という価値観を持っています。親の子育て価値観によって、習わせたい習い事のジャンルが変わることはありませんが、子どもの成長を願った親の気持ちが、習い事に通わせる意欲につながっているのです。
参照:子どものフィジカルリテラシー習得に関する家庭環境調査|日本スポーツ振興センター (P26)
習い事をしている小学生は8割!
学研教育総合研究所が発表している「小学生白書」によると、学校以外の習い事をしている小学生の割合は、2023年10月調査分で男女合わせると77.1%にのぼっています。これらの結果を見ると、子どもが習い事をするのは珍しいことではないと分かります。
習い事の内容を見ると水泳が男女ともに人気で、学習塾が続きます。英会話や音楽教室は男女差が顕著な傾向にありますが、習い事をしていない子どもに男女差はさほどありません。
参照:小学生の日常生活・学習に関する調査(学研教育総合研究所)
子供が習い事に行くことを嫌がる理由
習い事が自分のためになると分かっていても、子どもが習い事に行くのを嫌がるのには、主に以下の6つの理由があるためです。
・習い事の内容に興味を持てない
・指導者との相性が合わない
・習い事に通いづらい
・友達との関係の変化
・習い事で結果が出ない
・他の習い事に興味が移った
習い事の内容に興味を持てない
習い事に行くのを嫌がる大きな理由のひとつは、習い事の内容そのものに興味を持てないことです。人間は、自分が楽しめないものに対してモチベーションを維持するのが難しく、特に子どもにはその傾向が強く見られます。
習い事が楽しければ、子供が積極的に習い事に行きたいと感じますが、興味を持てないと習い事に行きたくないと思うのは自然な流れなのです。継続して習い事に通わせるのであれば、子どもが習い事に興味を持って取り組めるか、しっかりと見極める必要があります。
指導者との相性が合わない
楽しく習い事に通っていた子どもが、急に行くのを嫌がるようになった場合、指導者との相性が合わない可能性があります。習い事にどのような指導者がいるのか、入会前に調べることはできますが、子どもと相性が合うかは実際に通ってみないと分かりません。また、指導者が変わると指導方針も変わり、子どものタイプと合わないと習い事に行くのを嫌がるでしょう。
習い事に通いづらい
次に考えられる理由は、習い事に通いづらいということです。
たとえ習い事が好きだとしても、徒歩または自転車で20~30分もかかる場所へ行くのは、どうしても面倒くさいと感じてしまいます。
そもそも、人間は始めるまでに20秒以上かかる行動は基本的にやる気がなかなか起きません。
ソファに座っていて風呂に入る準備をするのが億劫になってしまったり、料理を作るのに面倒くささを感じてしまったりすることなどが日常的な例として挙げられますが、こういった経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
大人でさえ、そんな風に感じてしまう本能を抑えることが大変なのに子供が簡単にできるのでしょうか。答えはもちろん「いいえ」です。
そのため、習い事に長期的に通わせるには通いやすさもしっかりと考えておかなければなりません。
友達との関係の変化
子どもにとって、習い事における友達の存在感はとても大きく、続けるモチベーションにも大きく関わっています。以下のように、友達との関係性が変わってしまうと、習い事に行くのを嫌がる傾向があります。
・一緒に通っていた友達が辞めた
・友達とのレベルの差が大きくなって気まずくなった
・習い事のために友達と遊ぶ時間がなくなった
習い事で結果が出ない
もう1つの理由は、習い事で結果が出ないということです。
学校のテストで一生懸命勉強したのに成績がほとんど変わらなかったなどの経験がある方もいるのではないでしょうか。そういった体験は、自分が変わるきっかけになることもありますが、たいていの場合、自分の能力のなさにがっかりし、それが積み重なっていくことでやがては自信を失ってしまうなどの良くない事態になってしまいます。
子供は習い事に通わせてもらっている立場上、基本的には親の期待に答えようとしてくれます。しかし、上に述べたように頑張っても結果が良くならないことがあると、やがて自分は頑張ってもできないと思い込むようになってしまいます。
そして、そんな状態では頑張るだけ無駄だと思うようになり、習い事へのモチベーションが低下していきます。
それを防ぐためにも、親は子供の出した結果をしっかりと把握しておくことが重要です。
他の習い事に興味が移った
子どもは心変わりしやすく、自分がやりたいと言って始めた習い事であっても、すぐに他の習い事に興味が移るケースも珍しくありません。この場合、それまで通っていた習い事に行くのを拒否する可能性もあります。子ども自身が決めていた目標を達成して充実感を覚えると、他の習い事をやってみたいと思う場合もあるのです。
子どもが習い事を嫌がった場合の対処方法
子どもが習い事を嫌がった場合、大人は子どもの気持ちに寄り添ったうえで、適切に対処することが必要です。状況を改善するために、以下の対処法をひとつの流れとして実践してみましょう。
まずは子どもの話をしっかり聞く
まずは、なぜ習い事に行きたくないのか、子どもの話をしっかりと聞き、理由をはっきりさせましょう。このとき、頭ごなしに否定してしまうと、子どもが心を閉ざし親子関係に影響するおそれもあるため、話を聞く姿勢を子どもに見せることが大切です。
なぜ行きたくないのか、本当に辞めたいと考えているのかなど、ひとつずつ話を聞きましょう。理由によって、すぐに解決できるものや大人の対処が必要なものなどに分かれます。
辞めたいレベルを把握して対応を考える
子どもの話を聞き、どの程度辞めたいのかレベルを見極めます。習い事が面倒だと感じているのであれば、大人が一緒に練習を見てあげたり、ご褒美を用意したりするなどしてサポートすると改善できる場合もあります。面倒ではなく、習い事に行くのが嫌だと感じているレベルでは、レッスン中の子どもの様子を担当の先生に聞いてみるのも対策のひとつです。
習い事に通うのが辛いと子どもが感じている場合は、SOSを出している状況と言えます。まずは今まで頑張ったことを褒め、子どもの気持ちが落ち着くまで休会し、ゆっくり考えるのもひとつの手です。
習い事に通いやすくする
子どもが習い事に通いやすいと感じられるよう、時間帯や先生などを変えてみましょう。学校から帰宅してすぐに習い事に行かなければいけない時間帯では、意欲の低下につながることもあるため、時間の余裕ができると習い事に対して前向きに考えられるでしょう。
可能であれば、講師を変更してみるのもひとつの方法です。振替制度が利用できる習い事であれば、他の講師の時間帯に振替え、講師との相性を確かめてみましょう。
習い事の先生に相談する
ここまでご紹介した対策を取っても、状況が改善されなければ、最終手段として先生に相談しましょう。習い事の先生は、多くの子どもを見ており、適切な対処法を知っています。相談することで、習い事に関する親の悩みが解決できるかもしれません。
代わりとなる習い事を探す
上では、習い事が楽しくない、習い事に通いづらい、習い事で結果が出ないという3つの問題について述べましたが、これらは同じ習い事でも教室を変えるだけで変わる場合があります。
なぜなら、授業の雰囲気が合わない、教室の場所が遠い、先生と馬が合わないなどといった問題が改善される可能性があるからです。
この選択肢は意外と忘れられているように感じますが、効果的です。最近では、無料で体験授業があるところも多いようなのでぜひ体験して、子供の感想を聞いてみてはいかがでしょうか。
習い事を辞めることを提案する
必ずしも、今の習い事を続けた結果、子供が成長するかと言えばそうとは限りません。実際、やる気の出ない習い事に取り組んでいても大した成長が見込めないことはよくあります。
それでは、子供の時間を奪い、無駄な出費を増やしているだけになってしまうので、思い切って習い事を辞めることを提案するのも良いかと思います。
もし辞めてしまったら、子供のためにならないと思う方もいるかもしれませんが、子供がその余った時間で自分のやりたいことを見つけ、それに取り組むようになれば、自然と成長していくでしょう。
また、習い事を継続したいという気持ちが子供にあるならそこで辞めるとは言わないでしょう。継続する気持ちがあれば、多かれ少なかれ成長すると思います。
なので、子供の長期的な成長について考えているなら、こういった選択肢もあることを覚えておいて損はないでしょう。
習い事に通う子どもに親がしてはいけないこと
習い事に通う子どもに対して、親が以下の行為をしてしまうと、子どもに悪影響を与えるおそれがあります。気持ちだけが先走って子どもの気持ちを見失わないよう、十分注意が必要です。
習い事に無理やり行かせる
「習い事に無理やり行かせる」は、やってはいけないこととして良く知られているように思いますが、それでもやってしまう人はかなり多いです。
これの何がいけないかというと、「子供を強制的に習い事に通わせることで子供の自主性がなくなる」や「子供がやりたくないことをやらされていると感じ、ストレスを抱え込み、身体に不調をきたしたり、問題となるような行動を起こす可能性が出てくる」ことです。
これらのいずれも子供の自主性ややる気を奪い、せっかく役立つスキルを身に付けても役に立てることなく終わってしまうことも少なくありません。また、それだけではなく、他のものに興味がなくなるなどの日常的な生活に支障が出る問題が起きることもあります。
それでは本末転倒なので、子供を「習い事に無理やり行かせる」ということは何があってもしないのが良いでしょう。
習い事の結果のみを褒める
「習い事の結果のみを褒める」は意外とやってしまっている人が多いのではないでしょうか。実は、これもあまりよくありません。
何故かというと、結果のみを褒められると子供はやがて褒められ足りないと感じるようになったり、結果が出ないと褒められず、モチベーションが低下し、それによって結果が出ないという悪循環に陥ってしまうからです。
ではどうすればよいかというと、結果だけではなくその過程も交えて褒めることです。
この褒め方なら、子供が褒められ足りないと感じたり、結果が出せず、モチベーションが低下するという問題も防げます。この理由には、脳科学の話が関わり話が大きくなってしまうのでここでは省きます。詳しく知りたい方は以下の本を読むことをおすすめします。
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また、結果のみを褒めるのと同様に、過程のみを褒めるのもよくないので、子供を褒めるときは結果と過程のバランスに気を付けなければいけません。
習い事に行くことに対して報酬を与える
最後は、「習い事に行くことに対して報酬を与える」です。この方法は、子供がその習い事に興味を持つきっかけとして1、2回使うだけならば問題はないでしょう。
ですが、これを何度も使っていくと子供はやがて習い事で何かを学ぶ事ではなく、親からおやつやお小遣いなどの報酬をもらうことを目的とするようになってしまいます。その結果、習い事をなんとなしに終わらすようになり、授業に身が入らなくなってしまいます。
その後、子供の成長が止まってしまうのは想像にかたくないのではないでしょうか。
そのため、この方法を使うのは子供が経験したことのない習い事に行くのを渋った時などに限定するのが良いでしょう。
理由も聞かずに辞めさせる
子どもが習い事に行きたくないからといって、理由も聞かずにすぐに辞めさせるのは厳禁です。「辞めれば?」という言葉を聞いた子どもは、親に突き放されたと感じてしまい、時には恐怖感を覚える場合もあります。まずは、行きたくない理由を子どもの口からしっかりと親に伝えさせ、子どもの気持ちに合わせて対処法を決めることが必要です。
周りの子どもと比較する
習い事の目的は、子ども自身の才能を伸ばすことであり、周りの子どもと比較することではありません。周りと比較された子どもは個性を否定され、自信の喪失につながります。
さらには、習い事以外の場面でも周りを気にし過ぎるようになり、自己主張ができなくなってしまうおそれもあります。まずは子どもの可能性を信じて、あたたかく見守っていきましょう。
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